コンピュータを利用して工事区域内の地下水位をコントロールする安全で経済的・効率的な地下水管理システムです。
概要
これまでディープウェル工法においては,バルブ操作により,工事区域内の地下水位や揚水量を管理する方法が一般に用いられてきました。しかし,地下水位は,降雨や潮汐,工事区域周辺での地下水利用等の影響を受けて常に変動しているため,きめ細かな管理が難しく,過大な地盤沈下や井戸枯れなどの問題が発生することもありました。
地下水位制御システムは,このような課題に対処するために開発されたもので,コンピュータでディープウェルの稼働・停止を自動的に行って,工事区域内の地下水位を常にある一定の範囲(地下水位許容変動幅)内に保つことにより,工事の安全性を確保しながら揚水量を必要最小限に抑える経済的かつ効率的な地下水管理システムです。
特長
- 地下水位の変動の有無にかかわらず,工事区域内の地下水位を常にある一定の範囲内に保つことができるため,工事の安全性を確保しながら揚水量を必要最小限に抑えることができます。
- 地下水位許容変動幅の上限値・下限値は,容易に設定・変更できるため,開削工事では堀削工程に応じた効率的な地下水管理が行えます。
- 観測井内水位,ディープウェルの稼働状況,揚水量などの測定データをリアルタイムでモニター表示できるため,管理が容易です。
- また,測定データの印字出力や経時変化図の作成も可能なため,データ整理の省力化が図れます。
- 停電時には,自動的に発電機あるいは無停電電源装置が作動して電力が供給されるため,システムの機能が停止することはありません。
- ディープウェル内に設置したポンプの故障により,揚水量が急激に変化した場合には,その異常を知らせる警報発令装置も備えています。
システムの原理
工事区域内に設置した観測井内水位が,あらかじめ設定した地下水位許容変動幅の上限値以下となるまで,順次ディープウェルを稼働させます。
ディープウェルの稼働に伴って,観測井内水位が低下し続け,あらかじめ設定した地下水位許容変動幅の下限値以下となった場合には,逆に順次ディープウェルを停止させます。
このようなディープウェルの稼働・停止を繰り返すことにより,工事区域内の地下水位を常にある一定の観囲内に保つことができます。
なお,ディープウェルの稼働・停止は,すべてコンピュータの指令により行われます。
適用分野
本システムは,ディープウェルを用いて地下水管理を行うほとんどの工事に適用できますが,特に効果が大きいのは,次のような場合です。
- 地下水位が常に変動している地域での掘削工事における地下水管理
- ニューマチックケーソン沈設時の函内圧低減,エアブロー対策を目的とした地下水管理
- 常に水位が変動している海洋における大型水中ケーソンの浮上・沈設・姿勢制御を目的とした注水量・排水量管理
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