長周期型起振機を用いた大規模構造物の振動試験

高層ビルや橋などの長周期構造物の精度の
高い振動特性の推定に


超高層ビルへの適用例
 

対象建物 共振・位相曲線と常時微動測定の伝達関数
Photo2に示すS造28階建ての超高層ビルの27階に本起振機を設置し、起振機による定常加振(加振振動数を変化させ、各振動数ごとの建物各点の応答を測定する方法)と自由振動測定(起振機の加振後急停止による各点応答波形の測定)を実施しました[2]。さらに、これらの結果と比較するため建物の常時微動測定[3]も行いました。
Fig.2に起振機の定常加振による28階中央測定点の共振・位相曲線を、常時微動による地下4階に対する28階の伝達関数(応答倍率と位相遅れ)と合わせて示しました。両者の各ピーク振動数はほぼ一致し、位相遅れも各ピークでほぼ±90°を切っていることから、それぞれ1〜3次の固有振動数であることが分かります。このように、測定精度の高い起振機加振による結果と常時微動測定の結果が整合していることから、常時微動測定の信頼性も確認されました。

[2]石橋、内藤ほか:長周期起振機を用いた超高層ビルの振動試験、(鹿島技術研究所年報 第45号、1997.12)
[3]常時微動による構造物の振動特性評価、(KATRIリーフレット96-30)
自由振動試験による応答波形 Fig.3は、起振機により1次振動数で加振後急停止した後の28階の自由振動波形ですが、加振精度が高いためビート現象も現れず、従来の人力による加振に比べ非常にきれいな減衰波形が得られています。その結果として、自由振動による精度の高い減衰定数の推定が可能となりました。

固有振動数と減衰定数の振幅依存性
Fig.4は、3種の試験法(起振機による定常加振と自由振動及び常時微動)から推定された1〜3次の固有振動数、減衰定数と28階応答波形の速度振幅値との関係を示したものです。常時微動と定常加振での振幅値には50倍以上もの差があり、振幅値の増大による固有振動数の低下や減衰定数の増加と言った振幅依存性が明瞭に現れています。このように、応答振幅値の比較的大きな起振機加振を実施することにより、対象構造物の振動特性やその振幅依存性の傾向なども総合的に判断することができます。

 

 

||概 要| 長周期型起振機の特徴||


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