鉄骨に発生した亀裂が耐火被覆を剥がさずに簡単に見つけられます
地震による鉄骨構造物の被害として,柱・梁接合部に亀裂が発生する例が多く報告されています。
建物本来の強度を保つためには,亀裂を迅速かつ正確に把握し適切な処置をとる必要があります。
これらの損傷状況の調査は,耐火被覆を剥ぎ取り目視観察で行いますが,手間がかかるうえ粉塵対策など問題点がありました。
そこで,耐火被覆を剥がさずに,亀裂を検査できるシステムを開発しました。
システム構成
Measurement apparatus
検知原理とシステム概要
亀裂の検知法としては,現在までに電磁誘導や超音波を利用した方法が試みられてきました。
しかし,前者はボルトや当て板などの凸部の影響を受けやすい点,後者は超音波センサを直接鉄骨に接触させるために耐火被覆を剥がす必要がある点,が欠点でした。
本システムではこれらを改善するために,直接鉄骨に高周波電流を流して,亀裂から発生する磁界を検知する方法を用いました。
本システムは下図に示すように,高感度磁気プローブ,磁界測定装置,スキャナー,高周波電源及びパソコンで構成しており,対象となる鉄骨面の2次元磁界分布を計測することで,亀裂を検知しようとするものです。
検査手順は以下の通りです。
対象鉄骨の耐火被覆上にスキャナーを設置して,パソコンから検査範囲を設定する
鉄骨に高周波電流を流し,磁界を発生させる
スキャナーに取り付けた高感度磁気プローブを走査させて,磁界を測定する
測定結果はパソコン画面上に2次元磁界分布で表示する
特長
柱,梁及びその接合部のどの位置の亀裂でも明確に検知できる
亀裂幅が微細なものでも検知できる
(亀裂幅0.3mmで検知できることを確認。理論的には電気的接続がなければどんな小さな亀裂幅でも検知可能)
表示画面からその場で亀裂の位置と大きさが判断できる
耐火被覆を剥がさずに針状の電極を柱や梁に突き刺すだけで,高周波を流すことができる
直接鉄骨に電流を流すので高出力であり,ボルトなどの母材以外の影響を受け難い
検知例と応用例
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