震源近傍を含む新しい地震動の評価法
経験的地震動評価法による評価例
(最大加速度をマグニチュードと距離の関数で表現)
概要
兵庫県南部地震における神戸市のように,たとえ地震規模が小さくとも震源の近くでは地震動が大きくなり,構造物に非常に大きな被害を与えることがあります。したがって,震源近傍の地震動の評価は耐震上特に重要な問題です。
このような背景から,当社では従来用いられてきた地震動評価式に理論的な検討を加えるとともに,米国カリフォルニア州で豊富に観測されている震源近傍の観測記録を用いて,遠方から震源近傍までの広い範囲で適用可能な地震動評価式を開発しました。
等価震源距離を用いた経験的地震動評価法
地震動の評価法の中に,多数の観測記録を統計的に解析し,これらを平均的に説明できるように地震動をモデル化する方法があります。この方法は,過去の観測記録に基づくという意味で経験に基づいており,経験的地震動評価法と呼ばれています。
経験的地震動評価法では,距離減衰式と呼ばれるマグニチュードと震源距離,地盤種別などの関数で地震動を表します。パラメータが少なく、実際上どこにでも適用できること、また観測記録に基づいているため安定した評価ができることが特徴です。一方少ないパラメータで表現するため、複雑な地震動波形そのものの表現は難しく、最大値や応答スペクトルの評価に用いられます。
距離減衰式はもともと震源が点とみなせるような遠方での評価に用いられてきました。しかし震源はそもそも地下の広がりを持った断層であり,震源の近くでは点として扱うことはできません。この問題を解決するため,当社では新たに等価震源距離を提案しました。等価震源距離は広がりをもつ断層をエネルギーの面から見て等価な点に置き換えたときの距離であり,照明にたとえればシャンデリアのような複数の光源を電球のような一点に集めたことに対応します。この距離を使えば遠方でも震源近傍でも震源を同じように扱えます。
等価震源距離の概念図
(広がりを持つ断層を等価な点震源に置換)
米国カリフォルニア州の観測記録
新しい地震動評価式の開発と適用例
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