"いざ"という時のための水の備え
背景
1995年初頭の阪神大震災は,建物のみならず都市インフラ設備にも大きな損傷を与えました。特に上水インフラ設備の麻痺は,被災者の日常生活に大きな支障を来たしました。被災後の都市インフラ復旧率のグラフから,電力に比べて上水の復旧が遅れ,被災後3日間はほとんど手付かずの状態であったことが示されています。
そこで水道の供給が止まっても,建物側の備えにより,数日間は自立できる給水システムを提案します。対象建物としては,公共性の高い病院を始め,オフィスビル,住宅などへ幅広い適用が可能です。
給水源の確保
建物にはいくつかの水槽が備わっており,これを給水源にできれば好都合です。また蓄熱式空調の採用や,緊急時に備えて,上水貯留槽を設置することも考えられます。
| 給水源 | 病院 | 事務所 | 集合住宅 | 学校 |
受水槽 高置水槽 蓄熱槽 雨水槽 湧水槽 池・噴水 プール 井水 上水貯留槽 |
◎ ◎ ○ △ ○ △ △ △ △ |
◎ ○ ○ △ ○ △ △ △ △ |
◎ ○ △ △ △ △ △ △ △ |
◎ ○ △ △ △ △ ◎ △ △ |
| ◎:ほとんどの建物に設置されています。 | △:設置可能です。 | ○:設置されている場合があります。 |
水質調査と浄水化
雑用水の用途には,こうした給水源をそのまま使っても差し支えありません。しかし,飲料用を含めた上水への利用に当たっては,予め水質調査を行い,適切な濾過装置を備えておくことが必要になります。
下図は各種の水槽の水質調査結果から,水道水が有すべき性状に関連する項目を比較した例です。給水源によっては,基準値をそのままでクリアーするものもありますが,上水に転換するのが困難な水質も見られます。
一般に源水が水道水であれば,限外濾過処理などによって飲用が可能になりますが,汚染水が侵入したり,防錆剤等の薬注を行った水は,飲用に適用できない場合もありますので,注意が必要です。

水質基準値

冷却水槽の例

雨水槽の例
災害時非常用給水システムの提案
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