
私たちの生活を支える構造物の建設では、完成しても一般の人たちの目には触れないものが数多くあります。共同溝もそのひとつです。共同溝とは、ガス、電気、上下水道など、日常生活に欠かせないライフラインを地下にひとまとめにして収納する施設です。共同溝を整備することで、施設の更新などのために道路を掘り返す必要がなくなり、水道管などの収納物が目視で維持管理できるようになります。そのため、地震などで万一不具合が発生しても、修繕が必要な部分がすぐにわかり早急な対応ができ、災害に強い都市づくりが可能になります。

神奈川県の横浜・川崎地区では、災害に強いライフライン網の整備を目指し、約220kmの共同溝整備基本計画が策定されています。同計画に基づいて、横浜市臨海部の新磯子町と新杉田町を結ぶ国道357号線直下に建設しているのが国土交通省発注の新杉田共同溝です。鹿島JVは、総延長3.3kmに及ぶ工区を担当しています。
この工事で鹿島JVでは、基本設計よりも深い場所にトンネルを構築する提案を行いました。軟弱地盤の起伏が大きく、地下の深い安定した地盤にトンネルを掘り進めることで、地上を通る首都高速道路の高架橋の基礎への影響を最小限にとどめ、より耐震性の高い構造物とする鹿島JVの提案が評価され、デザインビルド方式(設計・施工一括発注方式)による受注となったものです。
災害時に強く長寿命の安定したライフラインづくりが目的であり、構造物や付属物の設計耐用年数は完成から75年というほかに例のない長さです。世代を超えて安全で安心な暮らしができるように鹿島JVは設計・施工の両面から技術力を活かし、共同溝の建設を進めています。
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01 発進立坑築造
まず初めにシールド機でトンネルを掘り始める地点まで、地面から縦に掘る。

首都高速湾岸線高架下の施工で、高さ制限がある中での作業には、細心の注意が必要
02 シールド機発進
縦に掘った立坑から地中を掘り進むシールド機を設置後、発進する。

一般公募で「ハマシールド636」と命名された
03 シールド工事
シールド機で地中を掘削し、トンネルの壁となるセグメントを組み立てる。セグメント自動搬送システムを導入。
04 シールド内部構築
まずトンネル中央の仕切り壁と床版を構築。発進側から見て左側上段に下水道2本(写真)、下段に上水道1本を設置中。
05 分岐立坑築造
トンネル内の換気と地上への収納物分岐のための立坑が、2011年にかけて順次施工中。
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これまで延べ1,000名を超える見学者を受け入れてきました。小学生から社会人、外国人まで幅広い層の方々に参加いただいていますが、約7割が大学生以下ということで、「建設」という仕事に興味を持つ機会になればと思っています。2005年12月のシールド発進式開催のほか、国土交通省主催のもと「親子ふれあい現場見学会」を行うなど、現場を実際に見るだけでなく、土木技術を体験してもらえるさまざまイベントを企画しました。現場ではスムーズで快適に見学してもらえるよう、設備の充実や通路の確保など日頃から配慮するようにしています。

2005年12月のシールド発進式に地元小学校の4年生約80名を招待。セグメントにメッセージを書いてもらうイベントを開催

2006年8月に「夏休み親子ふれあい見学会」を実施。ミニバックホーで3,000個のスーパーボウルをすくう体験
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今回この現場を担当するに当たり、このような土木現場ではどんなことが行われているのか、また地下にどのようなものができていくのかを、多くの方に知っていただければと、現場見学会を開催して実際に目で見ていただく機会を多く設けました。
また日頃から「3Kのない現場」も心がけました。これは、働く人にとっては快適な場所であり、地域の方が現場を外から見た時には、好感を持っていただくことができるように、と思ってのことです。竣工まで計6年近くここで仕事をさせていただきますが、そのあと75年と言わず「100年をつくる会社」として長く人々の生活を支える共同溝を、残していきたいと思います。

現場の鹿島社員。前列左から2番目が竹下所長
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