アニタ・グラフマン
Photo: Malin Westmanご挨拶
アニタ・グラフマン プロフィール
アニタ・グラフマンとその作品
ご挨拶
この度、たくさんの日本の皆様方に私の作品をご覧いただき、そして私のことに興味を持って下さった方々にお会いできたことを、このうえない喜びと感じています。さらに、今回の滞在を通して、日本の方々から私がかつて経験したことのないほどの、心の開く、寛大で親切な待遇に接し、大変、感激致しました。
また、私の作品を日本で紹介する貴重な機会を与えて下さいました鹿島建設株式会社並びにスウェーデン大使館の関係各位に深く御礼申し上げます。
アニタ・グラフマン
ファイバーアーティスト、インテリアデザイナー
アニタ・グラフマン プロフィール

主な作品はスウェーデン国立美術館を始め、ストックホルムのシティホール、神戸の武庫川学院、ワシントン、フィラデルフィア、シカゴ、フロリダ、ニューヨーク、ロンドン、コペンハーゲン、メルボルンなどの都市に飾られております。
アニタ・グラフマンとその作品
毛糸、麻糸を幾重にも重ねた力強く重圧な織り、黒を背景に燃え上がる炎、うねるように火花を吹き上げる活火山。炸裂する雷鳴、大がかりで強壮な表現様式。
原初的なるもの─原初的感性、自然な素材を追求し続けるアニタ・グラフマン。
グラフマン女史の作品は、一瞥しただけでそれが何を表現しているかが理解できるような単純なものではない。それらは、様々なイメージが一つに重なり合い、いにしえの知恵・探求し続ける魂の源・過去から現在に至る人類に共通し得る感性に満ち溢れた多義的なメッセージを含んでいる。作品を貫いているのは、海の感覚─深淵な海、生命を運ぶ海、時には残酷にまた時にはおおらかに天を映し出す鏡としての海、そして、常に変化しつつある海の感覚である。
純粋に技術的面から言って、グラフマン女史の作品は、驚くほど丹精に仕上げられている。大規模な面を持つ織物を扱うこと自体が非常に困難であるということのみならず、背景となる地から個々の詳細に至るまで技術的な独創性と多面性を惜しみなく発揮して、強い印象を与える。数種類の技法が組み合わされて駆使され、織り地に注ぎ込まれたエネルギーは、ある時は幾重にも重ねて糸、またある時は繊細な金糸を使った自由な縫い取り刺繍で、更に補強されている。
常に挑戦し続けること、グラフマン女史自身の言葉を借りるならば”不可能に挑むこと”は、素材とだけでなく、絶えずスケールを増していく構図との止むことのない闘いを意味している。女史は、常に同時進行で、いくつかの作品に取り組み、個々の作品がそれぞれの独自性をどこまで保つことができるかを試行している。実物の10分の1のスケッチは存在するが、それは最初の大ざっぱな構想が描かれているだけで、細部は彼女自身の想像のなかにある。その細部の図柄が大きな織り地に写しかえられると、その鋭さ、豊かさは、遠くからも近くからも十分に堪能する事ができる。
グラフマン女史は、織物作家としての30年間に、世界各国からの生徒を1〜2名の割合で迎え入れて、自らのアトリエで指導に当たってきてもいる。また、海外からの要請により、アメリカ・オーストラリア・日本などへの旅も数限りない。1978年に京都で開催された世界工芸評議会大会に出席するために初来日して以来、伝統的な日本家屋に見られる洗練された形態に魅了されている。不要なもの、異質なものをいっさい排除し、しかも究極なまでに研ぎ澄まされたその簡素さには、特に引きつけられるものを感じている。この日本文化との出会いに発して、グラフマン女史は日本を度々訪れることとなった。今回は、自らの芸術作品を、東京・六本木のスウェーデン大使館と赤坂の鹿島建設株式会社の二会場において展示する運びとなった。いずれも女史の作品の異国性・刺激性を高く評価して、各々の美しい建物を展示会場として提供してくださることとなった。
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