ご挨拶
大使ご挨拶
展示会ご挨拶
日本と同じように、スウェーデンにおいても”織物”は驚くべき洗練さと大衆性の合致という点において、常に芸術表現の一画をしめてきました。
アニタ・グラフマンにおいて偉業と賛えられることは、古い伝承芸術をデザインとコンセプトにより現代建築に調和させることによって、ときとして不足勝ちになる”人間らしさ”を新しく空間に生みだした事といえましょう。
ここに、日本にも多くの賞賛者を持つこの革新アーティストを紹介できる機会を得たことを誠に光栄に存じます。
そして又、グラフマン夫人の一部の作品を素晴しいKIビルディングに飾ることを快諾して下さいました鹿島コーポレーションに、心からのお礼を申しあげます。
どうか皆様、スウェーデンの代表的テキスタイル・アーティストの作品展を大使館ならびに鹿島コーポレーション・KIビルディングにてご鑑賞下さい。
マグヌス・ヴァールクウィスト
スウェーデン大使
アニタ・グラフマン女史の人となり・人生観・信条を凝縮したタペストリー作品展がスウェーデン大使館と鹿島KIビルの2会場で開催されました。原初的感性、自然な素材を追求し続けてその印象を自身の芸術を通して表現した25作品の創造的な作品が来場者を魅了し、タペストリー芸術の醍醐味を堪能しました。
日本と同じように海に囲まれ、豊かな自然に恵まれたスウェーデンに生きるグラフマン女史にとって、自然は芸術制作における大きなテーマであります。女史は自然に中にいることが自らを再発見する最良の方法と確信しています。女史のインスピレーションの源泉となっている海、雷、火、太古の岩、大理石採掘場の化石になった森、滝の尽きせぬ力強さといった自然の力への鋭い洞察を窺わせる作品が多く展示されました。
また、グラフマン女史の創作活動に欠かせない歴史をテーマにした作品も数点出展されました。歴史の中にある永遠のテーマに魅了される女史は、力強い幾何学模様の大作『ラビリンス』で世界各地の様々な文明に存在した迷宮伝説を表現しており、この作品は現在、ストックホルム市庁舎に飾られています。
アニタ・グラフマン女史の芸術は、社会にあるハードなもの(堅い・辛い・厳しい)にソフトもの(柔らかい・優しい・丸さ)を加え、人工的なビルや忙しい現代人の生活にやすらぎを提供しようとしています。タペストリーの素材が持つ柔らかさ、色使いの優しさもさることながら、ゴブラン織りで造ったソフトなレリーフである『化石の森』にあるようななだらかな起伏が、オフィスの平面的な壁に優しさを感じさせ、人々に安らぎを与えていました。
女史はまた、芸術は海辺の朝や苔のむした庭に見た秋の色のような昔の暖かな、そして楽しい思い出を蘇らせる役割を担うべきと考えています。
そして、「芸術は洗練されすぎてはいけない」という女史の信条に基づき、来場された方々にそのタペストリーの感触を手で楽しんでいただきました。
たくさんの方々に御来場いただき大変ありがとうございました。
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